『うちの子自主練で走りすぎたのか、足の甲を痛がるんです。疲労骨折でしょうか?』
足の甲の疲労骨折についての豆知識
足中足骨疲労骨折編
スポーツ現場において、足を踏まれたなどの直接の原因がないのに足の甲を痛がる場合は疲労骨折を疑います。
《典型的な中足骨疲労骨折の症状》
- 視診:足背は痛みのある部位を中心に腫れています
- 触診:押すと痛いのは中足骨中央部です。(下の写真の赤点)
《レントゲン所見》
通常、疲労骨折が発生してからレントゲンで変化を確認できるには、発生から2~3週程度かかります。
もし整形外科を受診して一度レントゲンで正常と判断されたとしても否定はできず、疲労骨折の可能性は残ります。
逆に、初診時のレントゲンで骨に変化が見えていれば、発生から既に2週間以上経過しているということになります。
今はコロナの影響で大会がことごとく中止になっていますが、
仮に重要な試合をひかえていて
『どうしても確実に疲労骨折かどうかを判定したい』という希望がある場合には、
MRIを撮影すると判定できます。
T1協調画像 STIR画像
このようにMRIにて明確に診断がつきます。
上記MRIの症例は、痛みが非常に強くて踏み込みも痛かったのでMRIで確認しました。
レントゲンでは所見が全くありませんでしたが、
MRIで上記のように明らかな変化があり、疲労骨折との確定診断に至りました。
約6週間で疲労骨折は完全に治癒しています。
しかし、痛みを我慢して頑張りすぎ、疲労骨折から完全骨折になり、来院された例もあります。
万が一完全骨折をきたして骨折部のずれが生じれば、およそ6週間では完治しません。
スケジュールをよく考え、パフォーマンスに影響する痛みなら、
はっきりさせないと大事な試合に間に合わなくなることもあるので要注意です。
初診 2週 3週 4週 6週