足背の痛みの部位と怪我の診断ポイント
このところ、新型コロナウイルスの影響で
ほとんどのクラブ活動も自粛を余儀なくされている状況のため
多くの部員達は、ひとりで自主練に励んでいるかと思います。
そうしたなかで、足背痛を訴えて当院を受診される選手が多いので
今回は、足背の痛みの部位と怪我の診断のポイントを簡単にまとめてみました。
いわゆるMTP関節。
写真の黄色い◯の部分。
足の指が曲がる付け根の部分の関節のことです。
ここに痛みがある場合、考えられるのは
✔MTP関節炎
(特に母趾に痛みが強い場合は、外反母趾や種子骨障害の有無を確認する必要があります)
✔フライバーグ病
(成長期特有。特に第2〜第4足趾に痛みが強い場合。)
中足骨の中央に痛みがある場合は
✔疲労骨折
(踏まれた、などの外傷の有無は要確認)
母趾に沿って痛みがある場合は
✔母趾の伸筋腱の腱鞘炎
(本人が自分で母趾を反らせた時に痛みが出るようなら、おそらく腱鞘炎。
荷重で痛みが少し内側に強く出るようであれば足根骨癒合症の好発部位でもあるので精査する必要があります)
写真の黄色い◯部分が痛い場合は
✔外反母趾
この部位に痛みがあって、触診で骨の隆起あると
✔外脛骨(過剰骨の一つ)
ランニングやジャンプで痛みが出現してきます。
(外脛骨に付着する後脛骨筋腱という強い腱がスポーツで炎症を起こすことも多い。
頻度は少ないが、足舟状骨疲労骨折も念頭に置く必要あり)
黄色の◯付近の痛み
✔腓骨筋膜炎
青の◯付近の痛み
✔二分靭帯損傷
✔足根洞症候群
✔足根骨癒合症
緑の〇付近の痛み
✔第5中足骨基部の骨端症(イセリン病)
✔立方骨骨挫傷
✔立方骨疲労骨折
いかがでしょうか?
今抱えている痛みに当てはまる部位はありましたか?
痛みの部位だけで100%の診断ができるわけではありませんが
ある程度考えられる怪我を絞り込むことができます。
そのうえで、さらに鑑別のための検査や問診を重ねて
最終的な診断、治療、リハビリとすすめていきます。
上記画像の部位に近い部位に痛みを感じている場合は
ぜひ一度ご受診ください。