足関節骨折でギプス巻いて外したら 足の母趾の動きが悪くなり復帰できません。
足関節骨折でギプス巻いて外したら 足の母趾の動きが悪くなり復帰できません。
主訴
走ると母趾が地面にあたり痛くて満足いくように走れない
現病歴
6月サッカー中 足関節骨折
翌日他院にてオペ
術後ギプス固定となる。ギプス固定を外してからリハビリ開始するも
足関節の角度により母趾が動き悪くなることにきずく。
図1 受傷時レントゲン
図2 術後レントゲン
11月 足母趾の動きが不良であり前医にて腱延長術施行。
しかし術後動きかわらない
走ると母趾が強くまがるので爪がすぐにわれて血がでます。
走れません。
図3 母趾の動き
足関節底屈位なら母趾の運動制限は認めない
足関節中間位なら母趾は背屈できない
走るときに靴の中で母趾が強くまがるので
爪がすぐにわれて血がでます。
走れません。
脛骨骨折後の術後
に長母趾屈筋の癒着したため母趾の動きが不良になる。
さてどんな病態でしょうか
まずは母趾の背屈ができないといことは 母趾の屈曲する腱が癒着して動かないということです。
①腓骨骨折の術後
②足関節周囲の複雑骨折後
③腓骨を血管丙つきで移植するために摘出したあと
などで同様の母趾の動きにかかわるFHLの癒着により母趾の背屈障害がでる
私が調べた範囲や足の外科の指導医からお聞きしたりとでは上記があげられます。
FHL(長母趾屈筋)
起始 脛骨後面遠位2/3 下腿骨間膜後面遠位部
停止 母趾末節骨底
図4 FHLの癒着について
KNOT OF HENRRYについて
足の腱は特徴ある構造をしています。図にありますように 足の内側のアーチの奥で
実は母趾の屈曲する腱と他の足趾を屈曲する腱とがKNOT OF HENRRYという部位でお互いが腱の枝で結合しています。
図5 KNOT OF HENRRY構造
治療計画
どうやって解決するか
FHLが動きが悪いのは起始部から足関節後方部分。
(その1)腱の延長であれば足関節より足部を走行している部分での延長
(その2)KNOT OF HENRRY構造を利用して足関節後方でFHL腱を切離すると
母趾はKNOT OF HENRRY構造によりほかの足趾の腱のパワーを使って屈曲が可能となります。
ではなぜ FHLの腱を切離しても母趾の動きがでるのか解説します。
まずは 正常の場合のFHLの動く部位をピンクで示しています。
図6 正常時のFHLの動く部位
つぎにFHL腱を赤のイナズマ部分で切離した場合に足趾屈筋(水色)を通じて
Knot of Henrry部での緑の腱により母趾の腱が動きます 図7
結局若い症例でもあるので足の土踏まずの部分での腱の延長を再度試みることにしました。
結果はうまくいきました。
もし延長術でむつかしければFHL腱の切離というお話も了承いただいた上での手術でしたが、延長でうまくいきました
術後2ヶ月目のフイジカルトレーニングも十分でき、
術前にあった走ると母趾が背屈できないため母趾の爪がわれて血がでるようなこともあったのですが、術後は問題なく様々なターンや全力でのはしりも可能となりました。
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