筋肉の痛みはどの程度で医療機関にみせるべきか?
筋肉の痛みはどの程度で医療機関にみせるべきか?
先週の外来でも6月からクラブ活動の再開される学校が徐々にふえるせいか
筋肉痛や肉離れの選手が急にふえてきています。
先日筋肉痛が続く選手を連れてこられた選手のお母さんからの質問です
(私たちは問診の中でこの2か月の自主練のメニューや頻度を聞くことにしています)
筋肉のけがの段階は
筋膜炎➡軽症肉離れ➡中等症肉離れ(筋内腱損傷)➡重症肉離れ(筋内腱断裂)こんな流れを思い描いていただけるとよいです。
現実的には
前兆なしに肉離れを起こすことが一番多く経験します。
しかし肉離れを起こした選手にいつも聞くようにしていますが、
肉離れを起こす前兆としても筋肉痛や筋肉の張りなどがある一定数おられます。
以下の2つのタイプで起こる肉離れは、選手の筋肉の状態をよく監視することで
未然に筋損傷が小さいうちにくいとどめることができると自分自身は考えています
①筋肉のこりや張った感覚➡肉離れ
②筋膜炎(筋肉痛あるが全然できるレベル)➡肉離れ
私自身もサッカーが専門ですが、
アメリカンフットボールのチームドクターも長年していました。
その時の現場時代の経験も書きますと、
現場ではストレッチの際に痛みやこわばった感じが出たら要注意です。
選手に聞くと(私の経験談)
<段階1>
明らかな痛みではないけどストレッチすると筋肉の(たいていは筋肉の中央部分)
この部分がすごく張りますとか、
この部分だけ凝っていますとか
表現します。
プレーは全然できますけど。
<段階2>
さらに強い症状だと
筋トレやダッシュすると筋肉の中央部分が軽く痛みます。
プレーは全然できますけど
<段階3>
キックやダッシュでいつも筋肉の中央が痛みます。(いつも気になります)
プレーはまだできますねどね。
以上はあくまで現場での選手のインタビュー内容からの段階と思ってください。
(選手の大丈夫は信じない これは現場の常識ですが)
私がJリーグやアメリカンフットボールのチームドクターをしていた時代、
クラブハウスから自分の所属する病院まで距離が少し離れていたので、
痛みを訴える選手を病院まで連れていくかどうかの判断には、
ある程度の振り分けが必要でした。
経験談からいいますと
★ストレッチの際に
①筋肉の中央部分に常に凝った感覚が続く場合
②筋肉の中央部分に明らかな張りが続く場合
★筋肉収縮(筋トレ中やダッシュ)で
①痛みを感じはじめている場合、
②筋肉収縮で痛みはないが力をいれにくいと表現した場合
は是非肉離れの検索をすべきと考えています。
ちなみに、肉離れは通常下肢に集中します。
部位としては
ハムストリング(後ろもも)、
大腿四頭筋(前もも)、
内転筋(うちもも)、
下腿三頭筋(ふくらはぎ)です。
肉離れは競技特性があって、それぞれの競技に特有の負傷部位があります。
競技特性による肉離れの好発部位などは別の機会に書きます。