【腰痛で整形外科を受診する基準】
【腰痛で整形外科を受診する基準】
6月に入りトレーニングを再開するクラブが多くみられています。
長期間の休み開けのトレーニングで増えるのが肉離れ、腰痛、疲労骨折です。
今回は腰痛について
『こんな場合には早めに医療機関への受診してほしい』
というのがテーマです。
スポーツ整形外科に腰痛で来院される選手は多いのですが、
腰痛の一番の原因は筋肉に関するものです。
私自身の約20年の経験では
①筋筋膜性腰痛症
②腰椎捻挫
③腰椎分離症(疲労骨折)
が大部分を占めます。
ここからはだいぶ頻度が下がって、
④腸骨骨端症
⑤仙骨疲労骨折
⑥腰椎ring appophysisの解離によるヘルニア様症状
⑦腰椎ヘルニア
という順になります。
腰痛の原因トップ3(①~③)の中でも腰椎分離症はやっかいです。
なぜなら、
例えば左側の疲労骨折で『この程度の痛みなら頑張れる』と我慢してプレーを続けると、
今度は右側まで疲労骨折してしまうからです。
また、中途半端な期間の安静だけで復帰すると、
結局疲労骨折の部分が癒合せず亀裂が残り、
再度同じ部分の痛みがでたり反対側の疲労骨折の原因になるからです。
では
<どんな時に医療機関を受診すべきか?>
- 2週間以上続く腰痛
- 腰椎伸展痛(背中を反らせると痛みがでる)
- いつもよりも痛みが強いと本人が感じた場合
- スポーツパフオーマンスに影響するレベルの痛みを感じる
こうした場合は、是非医療機関を受診すべきです。
《参考文献》
西良浩一ら :学校スポーツと腰痛 第18回日本腰痛学会 2010年10月 札幌
発育期の152例を対象にした調査
2週間以上継続して腰痛がみられる場合、約半数の症例が腰椎分離症を有している
Sairyo K et al:Spine 2006;31(2).206-211
分離症の早期発見にはMRIが有用
初期分離症では全例で隣接する椎弓根に浮腫が発現しSTIR-MRIでは浮腫が白く写し出される