肘のどんな症状ですか?
- 子供が急に腕を動かさなくなる
- ボールを投げると痛い。腕に体重をかけると肘が痛い。
- テニスのバックハンドで肘が痛い。物を持つと肘が痛い。
- ボールを投げると肘が痛い。(野球)
-
子供が急に腕を動かさなくなる
- 概要
小児(特に2歳〜4歳)では骨の未発達や骨を押さえつけている靭帯が柔らかいことにより、親が急に子供の腕を引っ張ることで骨を押さえつけている靭帯が骨から外れ、靭帯が関節の骨と骨の間に挟まりこんで痛みが生じます。また、子供が腹の下に腕を入れた状態で寝返りをすることでも発生することがあります。
本疾患では腫脹、発赤、皮下出血などは認めません。これらが認められる場合は骨折の可能性があります。
- 疑われる疾患
-
- ・肘内障
- 必要な検査
- タケスポでの治療、復帰までの流れ
-
レントゲン検査を行い、骨折がないことを確認したら徒手整復を行います。徒手整復を行い数分後に上肢の挙上が可能となれば終了になります。
急に腕を引っ張ると再発の可能性があると保護者に伝え、注意を促します。
-
ボールを投げると痛い。腕に体重をかけると肘が痛い。
- 概要
野球では過度の投球数や不良な投球フォームによって、体操では肘に体重をかける動作により、肘の骨の圧迫や摩擦により外側の軟骨や軟骨下骨の変性がみられるようになります。
投げられない程の痛みがあると復帰までの時間も長くなることから、肘の可動域に左右差がみられる場合や、違和感がある場合には早期の受診をお勧めいたします。
- 疑われる疾患
-
- ・肘離断性骨軟骨炎
- 必要な検査
-
レントゲン
骨折の有無や骨の形態異常をチェックします
MRI
関節内の腫れや軟骨損傷の程度、修復過程をチェックします
CT
軟骨化骨損傷の位置や亀裂の深さなどをチェックします。
- タケスポでの治療、復帰までの流れ
-
【保存療法】
画像診断により患部の状態が回復するまでは投球禁止となります。
投球禁止期間はメディカルチェックを行い、投球障害の原因になりうる股関節を中心とした下半身の柔軟性や肩甲骨運動などの患部に負担のかからないエクササイズを行います。
投球開始時期になれば当院の投球プログラムに沿って投球を開始し、復帰に向けた投球動作の指導も行います。
【手術療法】
重症度の高い例や保存療法に抵抗する症例では手術療法を行います。手術療法でははがれかけた骨片を固定する方法や膝の軟骨を移植する骨軟骨柱移植術を行います。術前の画像や術中の所見により選択します。手術後は当院のリハビリテーションプロトコルによって安全に進め、早期の競技復帰に向けたリハビリを行います。競技復帰にはおよそ6~8ヶ月かかります。
-
テニスのバックハンドで肘が痛い。物を持つと肘が痛い。
- 概要
日常生活では物をつかんで持ち上げる動作や雑巾を絞る動作で痛みが生じます。
最近ではパソコン作業でのキーボードやマウス操作での痛みもよくみられます。
主な原因としては、手首を返す時に使う筋肉の使い過ぎによる筋肉付着部の炎症とされています。
- 疑われる疾患
-
- ・上腕骨外側上顆炎
- 必要な検査
-
MRI
症状が強い場合や長い場合には、炎症の程度や靱帯損傷の有無などを確認します。
徒手検査
手首の動かす時の抵抗痛や動作による痛みを確認します。
- タケスポでの治療、復帰までの流れ
-
まずは物理療法・投薬にて消炎処置を行い、炎症や痛みが強い場合には、患部に注射を行って症状の改善をはかります。
症状がある程度落ち着いたら上肢の柔軟性をチェックし、肘周囲や前腕の筋肉のストレッチを中心とした理学療法を行います。
再発予防として、上肢の筋力トレーニングやスイングフォームをチェックし復帰に向けたアスレティックリハビリテーションを行います。
-
ボールを投げると肘が痛い。(野球)
- 概要
主に成長期に繰り返される投球動作によって肘に過剰な負荷がかかり、投球時や投球後に痛みが生じます。
成長期では骨が成長過程であり構造的に弱いため骨の障害、成人では骨よりも靭帯の障害になりやすいです。
痛みが出る場所は人によって内側、外側、後方に分けられます。内側では内側に存在する靭帯や神経、腱などの伸張によって痛みが生じます。外側は骨の圧迫により骨や軟骨がはがれたり陥没したりしてしまいます。後方ではこすれや衝突により痛みが生じます。
投げられない程の痛みがあると復帰までの時間も長くなることから、肘の可動域に左右差がみられる場合や、違和感がある場合には早期の受診をお勧めいたします。
- 疑われる疾患
-
- ・野球肘
- ・肘頭疲労骨折
- 必要な検査
-
レントゲン
骨折の有無や骨の形態異常をチェックします。
MRI
関節内の腫れや軟骨損傷、靱帯損傷の有無をチェックします。
- タケスポでの治療、復帰までの流れ
-
患部の炎症や痛みが強い場合は投球禁止となります。
その間、身体の弱い箇所や野球肘の原因となる弱点を見つけるためにメディカルチェック(筋力、柔軟性、投球フォーム)を行います。
メディカルチェックにより判明した弱点を患部に負担がかからない所から修正します。
患部の炎症や痛みが落ち着いたら当院の投球プログラムに沿って投球を開始し、復帰に向けた投球動作の指導も行います。
重症度の高い例では手術を行うこともあります。手術後のリハビリも当院で行います。
軽症である場合にも、将来的なパフォーマンスへの影響が考えられます。
予防やストレッチ方法などのレクチャーもいたしますので、
不安な方はぜひ一度ご相談ください。