こんにちは。福岡市城南区の整形外科・スポーツ整形外科 タケダスポーツクリニックです。 足首(足関節)の捻挫は、スポーツ外傷のなかで最も頻度の高いものの一つで、関節に力が加わり靭帯が部分損傷したものから断裂した状態を指します。 後遺症を残さずに早くスポーツに復帰するためには、適切な処置とともに適切なリハビリを行うことが重要です。 今回は、捻挫を早く治すためのリハビリのコツをまとめました。
足首の捻挫が長引く原因
小学生までの子供の足首の捻挫では、外くるぶし下端の剥離骨折を伴うことが多いと言われています。
足首の捻挫では、ほとんどが足首を内側にひねり足首の外側を支えている靱帯を痛めてしまいますが、子供では靭帯が断裂するかわりに靭帯の付着する外くるぶしの骨の表面が剥がれる剥離骨折(はくりこっせつ)を起こしやすいのです。
この剥離骨折を見逃してしまうと、治療が長引いてしまうことがあります。初めて捻挫をした場合は軽く考えず、レントゲンや超音波検査で剥離骨折がないかを医師に確認してもらいましょう。
もし剥離骨折があれば、痛みが軽くてもしっかり固定してもらい緩みを残さないことが大切です。
また経過中の注意として、痛みが軽くなったからと自己判断で固定をはずしてしまい、靭帯が緩んだまま競技に復帰すると捻挫を繰り返しやすくなり、関節がぐらぐらして軟骨を傷めてしまうこともあります。
捻挫のあとの痛みや腫れが長引く場合には整形外科を受診して、画像検査などでもう一度どの靭帯が損傷しているか、骨挫傷などの合併症が起こっていないか、などを診察してもらいましょう。
足首の捻挫をはやく治すリハビリ方法
捻挫のリハビリには、急性炎症の処置、関節の動きの回復、筋肉の強化などが含まれます。回復の程度や問題を確認しながら対処できるので、リハビリを介した治療が望ましいです。
一日も早く痛みをなくし、スポーツ復帰するためには腫れを軽減させること、可動域を元通りすることが必要です。
①初期段階では、靭帯に過度なストレスがかからないように、早期に炎症による腫れを引かせるためにしっかりと関節を固定します。痛みを我慢して体重を思いきりかけたり、無理に走ったりすると靭帯にストレスがかかり、再度捻挫してしまう可能性がありますので気をつけましょう。
②負傷した関節に体重がかけられるようになれば、可動域を回復させる可動域訓練やストレッチなどを行います。
③腫れや痛みがなくなれば、バランストレーニングや筋力トレーニングを徐々に開始していきます。
④可動域と筋力が回復し正しい動作を習得できたら、アジリティーテストを行います。テストに合格すれば、晴れてスポーツ復帰となります。
また、リハビリ期間中に、患部以外(体幹・上半身・下半身の筋力や持久力など)の補強トレーニングを実施しておくことで、復帰後のパフォーマンスを高めることができます。リハビリは痛みを我慢して無理をせず、痛みの出ない回数と強度でおこなってください。
リハビリは、必ず診察した医師の指示に従って進めてください。
最後に
小学生までのお子さんの捻挫は、剥離骨折が隠れていないことを医師に診断してもらうことが重要です。捻挫をした時は、足をひねっただけだと安易に考えず、正確な負傷部位とその程度を医師に確認してもらいましょう。
捻挫を早く治し、復帰後の怪我や再受傷を予防するためには、回復の段階に合わせた適切なリハビリと筋力強化が大切です。